毎月繰り返しにきびの新生にお悩みの女性には、繰り返すにきびの負の連鎖(にきびが治らないうちに新しいにきびが出来、更に治りにくい肌質に変化していく悪循環)を断ち切る目的で、ホルモン療法を第1選択肢としてご提案しています。
性成熟期の女性の方で繰り返しにきびに悩まされる方の原因に、活性型男性ホルモンの強い関与が推定されています。男性ホルモンの活動を軽減する目的でトライして頂きたいのが低容量ピル(OC)療法です。
低容量ピルは本来避妊薬として開発されましたが、避妊効果以外の多くの副効能が判明し、海外においては女性の難治性にきびの治療薬として古くから頻用されています。
自分自身これまで多くの女性の方に低容量ピルを処方して高い効果を確認しており、日本人への効果と安全性、そして治療コストの面からも、非常に優れた治療選択肢の1つと考えています。
経過良好であれば、数ヶ月の内服を続けていただく事で、新しいにきびの出現個数が減少するだけでなく、赤く腫れた炎症性にきびも減ってきます。そして、結果として患部の肌の安静が促される事にも繋がり、にきびで痛んだ肌が修復されていくという正の連鎖を辿っていく事が可能です。
ホルモン療法はピル以外にもスピロノラクトン療法等が存在しますが、ピルの安全性と、高い避妊効果・生理周期を規則的に調整する・生理痛の緩和等を加味すると、女性の生活の質:QOL(Quality Of Life)向上効果は他の治療よりも非常に大きいと思っています。
低容量ピルには幾つかの種類がありますが、当院はにきび治療に適している成分が配合されている1相性ピルを採用しています。治療プログラムに関しては一定の評価期間や方法がありますので、診察時にお話しします(なお、生理[月経]周期が確立されていれば中学生や高校生でも治療は可能です)。