日本において治療の安全性と有効性に関して、きちんとした検証がなされているケミカルピーリング剤です。医療機関専用の薬剤で、施設毎に治療効果に差が出る事無く安定した治療がご提供出来ます。
私自身が治療に取り入れた数年前はまだ一部の医療機関でしか行われていませんでしたが、学会などを通じて医師の間で評価が年々高まり、皮膚科クリニックや美容外科等多くの施設で行われるようになってきました。
サリチル酸マクロゴールが高い評価を得ているのは、高濃度グリコール酸と同等のにきび治療効果を発揮しながら、治療後の副作用がきわめて少ないという極めて高い安全性にあります。
薬剤の大部分は表皮角質層と毛孔の角栓除去に作用し、高濃度グリコール酸使用時に起こり得る強い皮むけやかさぶたが生じる事はまずありません(数日間の部分的且つ僅かな皮むけ程度です)。
基本的プログラムとして、最短で1ヶ月に1度この治療を受けて頂く事で、にきびの改善だけでなく、にきびの出来にくい肌質形成やにきび跡の修復が促進し、赤みや色素沈着の改善を段階的に行っていく事が可能です(陥凹性瘢痕[クレーター]はレーザー適応です)。
日本人はトレチノインやアダパレンといったにきび外用薬が、刺激や過剰な皮むけといった副作用で使用出来ない方が大勢いらっしゃいますが、サリチル酸マクロゴールであれば、余程重度の皮膚バリアのダメージがある肌でない限り治療を継続していただけます。
以上の利点を有し、にきびになりにくい肌質にしていく事が可能な治療ですが、ホルモン療法を組み合わせないと新生にきびのコントロールが十分出来ないケースもあり、症状に応じた適切な治療の組み合わせが推奨されています。
なお、当院では原則として、にきびや皮脂腺由来の肌トラブル治療の方のみにサリチル酸マクロゴールの処方をご提供しております(これらの治療以外の目的には、当院の他のレーザー・光治療が優れています)。
治療は説明書に従い自宅にて行って頂きます(クリニックで施行した場合、人件費や設備等の問題から治療費を設定する必要がありますが、自宅での治療であれば1回あたりの治療費を安価に抑える事が可能ですし、患部のみ治療出来ます)。