美容皮膚科・皮膚科
クレド岡山

Treatment

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にきびの治療(外用剤、レーザー・光治療)

にきびは皮脂腺を有する毛穴を中心とした、毛穴の閉塞や角栓形成から炎症を生じる皮膚科領域で頻度の高い疾患であり、この場合美容皮膚科においては"治す"対象になります。

にきびの原因を多くの方が悩みの中で追求されますが、遺伝による体質的な要素が発症に関与し、個々人のストレス・体調の悪化、季節の変わり目等の影響を受け悪化する傾向にあるため、なかなか原因をはっきりさせる事が出来ません。

疫学上生涯にわたって患う病気ではありませんが、10代から40代の方まで何年も再発を繰り返す場合があり、人によっては治療が数年がかりになる場合もあります。

数多くのにきび治療が世界で提案されていますが、日本人の肌質には適不適がある事を私自身これまで臨床の場において経験してきました。

この点を十分に踏まえ、当院ではにきび治療として高い改善効果が期待出来、且つにきび治療だけにとどまらない付加価値のある治療を厳選してご提案しています。

サリチル酸マクロゴール

日本において治療の安全性と有効性に関して、きちんとした検証がなされているケミカルピーリング剤です。医療機関専用の薬剤で、施設毎に治療効果に差が出る事無く安定した治療がご提供出来ます。

私自身が治療に取り入れた数年前はまだ一部の医療機関でしか行われていませんでしたが、学会などを通じて医師の間で評価が年々高まり、皮膚科クリニックや美容外科等多くの施設で行われるようになってきました。

サリチル酸マクロゴールが高い評価を得ているのは、高濃度グリコール酸と同等のにきび治療効果を発揮しながら、治療後の副作用がきわめて少ないという極めて高い安全性にあります。

薬剤の大部分は表皮角質層と毛孔の角栓除去に作用し、高濃度グリコール酸使用時に起こり得る強い皮むけやかさぶたが生じる事はまずありません(数日間の部分的且つ僅かな皮むけ程度です)。

基本的プログラムとして、最短で1ヶ月に1度この治療を受けて頂く事で、にきびの改善だけでなく、にきびの出来にくい肌質形成やにきび跡の修復が促進し、赤みや色素沈着の改善を段階的に行っていく事が可能です(陥凹性瘢痕[クレーター]はレーザー適応です)。

日本人はトレチノインやアダパレンといったにきび外用薬が、刺激や過剰な皮むけといった副作用で使用出来ない方が大勢いらっしゃいますが、サリチル酸マクロゴールであれば、余程重度の皮膚バリアのダメージがある肌でない限り治療を継続していただけます。

以上の利点を有し、にきびになりにくい肌質にしていく事が可能な治療ですが、ホルモン療法を組み合わせないと新生にきびのコントロールが十分出来ないケースもあり、症状に応じた適切な治療の組み合わせが推奨されています。

なお、当院では原則として、にきびや皮脂腺由来の肌トラブル治療の方のみにサリチル酸マクロゴールの処方をご提供しております(これらの治療以外の目的には、当院の他のレーザー・光治療が優れています)。

治療は説明書に従い自宅にて行って頂きます(クリニックで施行した場合、人件費や設備等の問題から治療費を設定する必要がありますが、自宅での治療であれば1回あたりの治療費を安価に抑える事が可能ですし、患部のみ治療出来ます)。

APPS(高浸透型ビタミンCローション)

外用可能なビタミンC製剤の中で、現在最も皮膚への浸透が高いと評価されるAPPSを自宅でのスキンケアに併用する事で、にきびでダメージを受けた肌の修復を促し、上記の治療を補っていきます。

ビタミンC外用は毛穴の異常角化を抑制する作用も持ち合わせていると考えられていますし、皮脂腺の活動もある程度は封じ込めますので、レチノイドやアダパレンといったにきび治療の基本外用剤が副作用から使用しにくい方の治療として十分な働きが期待出来ます。

ビタミンC外用は紫外線や喫煙による皮膚のしみ・しわの悪化に、抗酸化作用を介して予防する効果があるため、にきびだけに限らない恩恵を皮膚に与える事も期待出来ます。

レーザージェネシスやレーザートーニング、ライムライト等

低容量ピルは新生にきびの抑制には非常に優れているのですが、出来てしまったにきびの改善や長引く慢性的な赤み、色素沈着に対しての速効性は残念ながらありません。よって、このような症状の改善をより希望される方は、ホルモン療法やサリチル酸マクロゴール、APPS等の外用薬と併用しながらクリニックにてレーザー治療やライムライト(光治療)を考慮しています。

(注:レーザーや光はにきび治療としての評価は未だに確立していません。赤みや色素沈着に対する効果があくまで主たるもの、とお考えください)

過酸化ベンゾイル(BPO)

2015年に日本で保険適応を認可された、標準治療薬の1つが過酸化ベンゾイルです。
毛孔の閉塞している角質を除去する作用と、患部の炎症を早期に鎮静する作用を有しています。

非抗生物質製剤なので、耐性が生じにくいのも特徴です。
少数の方に赤みが出易い副作用が生じますので、最初は部分的に使用して頂いております。

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