アファームマルチプレックス

光治療や脱毛レーザーの登場は、日本での美容皮膚科治療にとっても実に大きな転換点でした。多くの日本人に対する効果と安全性の検証が行われ、ほぼ確立された治療法になったと言えると思います。
そして、これらの治療法に引き続き、2004年アメリカのレーザー学会で発表されたフラクショナルレーザーと呼ばれる一連のレーザーシステムが、光治療とは全くアプローチの違う肌質改善の治療法として、日本人にとってもスタンダードな手法になり得ようとしています。
このような治療器の中でフラクセルに次いでアメリカFDAに認可されたのが、サイノシュア製のアファームシステムです。最初に使用可能な波長は1440nm単独でしたが、2007年、1440nmの波長と1320nmの波長を同時発射出来るマルチプレックスシステムの登場で、肌をより重層的に入れ替える事が可能となりました。
理論的にはこのような肌の重層的な入れ替えを可能としているのですが、アファームシステムにはそれだけではない実際上の利点が以下に挙げられます。私がクリニックにこのレーザーを導入する事を決定づけたのも、以下の利点を有しているからです。
治療部を実質1パスで1回の治療が行えるので、照射が全顔でも20分程度で可能。何度も繰り返し同一部を照射しないで治療出来るので、痛み、蓄熱によるやけど・色素沈着・長期の赤みといった副作用の発生も防げます。
なお、治療後の一過性の刺激の緩和の為、事前にテープ麻酔の処置を施しますので(小範囲の方であれば強力な冷風のみで治療可能な場合もあります)、この処置を行った場合、約30分程度お待ち頂き、全顔で約1時間程度のプログラムとなります。また広範囲の照射の方にはリドカイン軟膏による麻酔を併用する場合があります。この場合は約1時間程度、麻酔が効くまでお待ち頂きます。
照射時にエネルギーを、点状と面状に分配する独自の技術を有しているので、少ないエネルギーで最大限の効果が期待出来る。低エネルギーで施術出来るので、治療後の長期に渡る腫れ、赤み、色素沈着といった副作用が回避出来ます。治療後は表皮が温存されているので、メイクをして帰宅可能です。
治療時の痛みや、治療後の長引く腫れ・赤みといった、治療を途中で断念されてしまう要素を可能な限り排除したレーザーにも関わらず、高出力型のレーザーと肩を十分並べられる効果が期待出来ます。
多くの方に、日常生活上支障無い範囲での、肌質改善における最上位治療として受け入れてもらえると考えています。
【主な治療対象】
- 毛穴の開きやしわを中心とした肌質改善を高いレベルで行いたい方
- にきび痕(軽度から中程度のクレータータイプ)の不明瞭化
- 一部の傷痕修正
【フラクショナルレーザーとは】
皮膚に目に見えない微小な孔(傷)をレーザーで開ける事により、皮膚の創傷治癒を刺激し、瘢痕組織の収縮と正常組織への再構築・コラーゲン増加による肌質(しわや肌理)の向上・加齢により変成した表皮や真皮上層の修復を促す治療器の総称です。従来の皮膚に傷を全くつけないレーザーと比べ、治療効果が優意に勝っており、世界中の医師から高い評価を得ています。フラクセルシリーズや当院のアファームシリーズ等が代表的な治療器です。
各々のレーザープログラムで到達する深さ、エネルギー、熱の分布が違うので単純に効果を比較する事が難しいのですが、理論的な土台は同じですので、多くの症例検討の中で臨床効果に優れたレーザーがスタンダードとして生き残っていくのではないかと思います。
日本ではフラクセルシリーズとアファームシリーズが、お互い切磋琢磨しながら今後もこの分野を主に牽引していくと考えています。